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ナスレッディン・ホジャの世界
ナスレッディン・ホジャは日本でいうところの一休さんのような存在。13世紀にトルコで生きた人物と言われています。ユーモアに富んでいて、人間の心理状態や、社会への風刺などを盛り込んだホジャのお話は今でもトルコの人々だけでなく、世界中の人々に愛されています。実際にはホジャの語ったお話だけではなく、その時代からトルコに伝わる物語を集めた伝承物語になっています。ちょっとおっちょこちょいで、小回りが利いて、それでいて人間味の溢れるナスレッディン・ホジャのお話を理解すれば、トルコ人の笑いのセンスも理解できることでしょう。ホジャの世界をお楽しみください。
もし、ロバに乗っていたら・・・
ホジャのロバかいなくなりました。探しながらホジャは「ありがたや…ありがたや・・・」と言いますので何がありがたいのか人々が尋ねました。
「わしがロバに乗っていなかったことを神様に感謝しているのだよ。さもなければ、わしも行方不明になるところだったわい・・・」
頭をお忘れなく
町の金持ちがホジャを招待しました。約束の日、ホジャがそのお屋敷に近づいたとき、窓のそばに主人が座っているのがみえました。玄関で「ご主人にお会いしたい。」と言うと、召使が言うには「主人はあいにく留守でございます。」ホジャは「では、どうかよろしくお伝えくだされ。まれからお出かけの際には、窓のそばに頭を忘れんよう気を付けなさるがよかろうと・・・」
火も食べ物もないところ・・・
ある日、ホジャが窓から外を眺めていると、葬列が近づいてきます。家族たちが棺にすがって泣いていました。「ああ・・・あんたは行ってしまう のね・・・。火の気も灯りも食べ物も無い所へ・・・。」 ホジャは慌てて奥さんを呼んで言いました。「早く戸締りしろ!ここに運んでくるつもりらし い・・・」
小食に慣れたロバ
ホジャの経済状態は日増しに悪くなります。出費を切り詰めるために、ロバのえささえも少なくしなくてはなりませんでした。毎日少しずつ量を減らしていきました。ある朝、小屋の中でロバは死んでいました。ホジャはがっかりして言いました。
「やれやれせっかく小食に慣れて、何も食わせなくてもいいようになったと思ったら…」
も説教
ある日、ホジャはモスクでの説教の前に、人々に尋ねました。
「皆の衆、今日は何の話をするかわかるかね?」
「いいえ、わかりません」
「わからんのなら話しても無駄なことだ」
ホジャは説教段を降りて帰ってしまいました。
次の金曜日、ホジャはまたも同じ問いかけをしました。人々は今度は、
「はい、わかっています。」と答えました。
「わかっているのなら、話さなくてもよかろう」とホジャは帰ってしまいました。
そのまた次の週、人々はうまい返事を用意していました。
「わかる者もわからない者もおります。」
「では、わかる者がわからない者に話すがよかろう。」とホジャは帰ってしまいました。
満月とホジャ
ホジャは井戸に水汲みに行きました。井戸の中に美しい満月が見えました。「えらいこっちゃ、お月様が井戸に落ちたらしい。すぐに助けてやるぞ。」ホジャがバケツを投げ込み、力いっぱいに綱を引き上げようとしたとき、綱が切れてホジャははずみでひっくり返り、「痛い」見上げた空に満月が輝いています。「ああ、神様。ひどい目にあったけど、なんとかお月様を助けることができましたわい。」
汚い拾い物
ある日、ホジャは道で鏡を拾いました。何だろうとよく見ると、白い鬚の老人が見えます。
「ふん、こんな汚いもの誰も欲しくは無いわい。」ホジャは鏡を捨てて行ってしまいました。
引越し
ある夜、ホジャの家に泥棒が入りました。家の中のめぼしい物を集めて、袋に詰め込み、そっと家を出て行きました。ホジャも残りの品を包んで、泥棒の後を追いました。家にたどりついてホジャがついてきたのを知った泥棒は、「ここはわしの家だ。何の用があるのだ。」
「どうして?わしらはここに引っ越してきたのだろう?」
二人の奥さん
二人の奥さんとうまくやっていくことは難しいこと。ホジャは一人に美しい青い石を贈り、
「お前にだけさ。内緒だよ。」
そして、もう一人にも同じ石を贈り、同じ言葉をささやきました。
ある日、奥さんたちが「ホジャ、私たちのどちらが大事なの?」と返事をせまりました。
ホジャはよく考えてから言いました。
「青い石を持っているほうだねえ。」
運び賃
ある日、ホジャは家の中の不用品を集めて、市場で売ることにしました。荷運びの男を頼んで、担いで出かけたものの、途中でこの男を見失ってしまい、おちこち探したものの見つけることができませんでした。
数日後、その男が野菜かごを背負って歩いてくるのを見たホジャはくるりと振り向いて逃げ出しました。友達がようやく見つけたのに、どうして逃げるのかとたずねると、「10日分の運び賃を請求されたら大変だからね。」
授業料
ホジャは何か楽器を演奏できたら楽しかろうと重いました。そこで、町の音楽の先生を訪ねて、リュートの授業料はいくらかと尋ねました。
「最初の月は銀貨3枚、2ヶ月目からは1枚い
ただきます。」
「それじゃ、わしは2ヶ月目からお願いしますわ。」
上着の中にわしが・・・
近所の人がホジャに言いました。
「ゆうべ、お宅から大きな物音が聞こえたが、いったい何があったんだね?」
「家内がわしの上着を階段の上から落としたんだよ。」
「ホジャ、上着があんな音をたてるのかい?」
「いや、なに。わしがその中に入っていたんでね。」
探し物
ある日、ホジャは地下室で指輪を落としてしまいました。探したけれど見つかりません。
そこで今度は庭に出て探し始めました。近所の人が見て「ホジャ、どうしたんだい?」と聞くと、
「地下室で指輪を落としたんだよ。」
「地下室で落としたのに、どうしてそんなところを探しまわるのさ?」
「あそこは暗くてよく見えないからね・・・」
煙の値段は?
アクシェヒールの市場、焼肉の屋台の前を通りかかった貧しい男がたまらなくなってパンを買い、素敵な肉のにおいをおかずにして、パンを食べていました。
食べ終えたとき、焼肉やのおやじが男を捕まえて金を払えと言ったので争いになり、判事の前にやってきました。判事はナスレッディン・ホジャ。
話を聞いたホジャは、まず貧しい男に、有り金を全部出しなさいといいました。そして何枚かのコインをチャリン、チャリンと数えてから、焼肉やに言いました。「これでよかろう。あんたは肉の煙を売って、お金の音を聞かせてもらったというわけさ。」
チップ
ある日、ホジャはハマムに出かけました。三助たちの誰もホジャに親切にしてくれません。擦り切れた腰巻、ゴワゴワのタオルを貸してくれました。ホジャは何も言わずに最後にチップをたっぷりとはずんでハマムをでました。
次の週、再びそのハマムに出かけました。さあ今度はみんなが競ってサービスをしてくれます。腰巻もタオルも上等なものです。帰りがけにホジャはほんのわずかなチップをあげました。
「ホジャ、わしらは特別なサービスをしたのに・・・」
「今日のチップは先週の分、先週のが今日の分というわけさ。」
肉か猫か・・・
時々ホジャは肉を持って家に帰ります。でも一度もホジャの口に入ったことはありません。奥さんが一人で食べたり、ふるまったりして、ホジャにはいつも猫がくわえて逃げてしまったとか言うのです。
ある日、2キロの肉を食い逃げしたという猫を捕まえ、その目方を量るとちょうど2キロ。
「これが猫なら肉はどこだね?これが肉なら猫はどこだね?」
ロバを信ずるものは・・・
ある日ホジャの友達が1日だけロバを貸してくれと頼みました。ホジャはあいにくだが、今日はロバがいないと言いました。ちょうどそのとき、納戸からロバの鳴き声が聞こえたので友達はおこりました。
「ロバがいないだと!昔からの友達にロバも貸したくないとは見損なったわい。」ホジャも負けてはいません。「わしのような立派な友達を信用できんで、馬鹿なロバを信じるとは見損なったわい。」
お料理メモ
ある日ホジャがレバーを買って家に帰る途中、友達にあいました。友達はおいしいレバー料理のつくり方を知っているというので、紙に書いてもらいました。夕食を楽しみに家路を急いでいると、突然からすが舞い降りてきてレバーを奪って逃げ去りました。追いかけても無駄です。悔しそうにホジャは言いました。「おいしいつくり方はこっちのものさ。」
なべの神秘
ホジャは近所の人から大なべを借りました。数日後、その日に小鍋を入れて返しました。貸した男がこれは何かと聞くので、「あんたの鍋から子供が生まれた。」と言うと男はとても喜びました。
しばらくしてホジャはまたこの鍋を借りました。でも今度はいつまでも返してくれないので男が催促すると、「あんたの鍋は死んだよ。」とホジャは言いました。「馬鹿な!鍋が死ぬなんて誰が信じるか!」「子供が生まれたときには信じたじゃないか」
買い物
ある日ホジャはズボンを買おうとブルサの市場へ出かけました。ちょうど良いものを見つけてお金を払おうとした途端に、ホジャは上着が欲しくなりました。気に入った上着を手に店を出て行くホジャを主人があわてて呼びとめました。「ホジャ、代金は?」「ズボンやめて上着にしたんだよ。」
「ズボンのお代も頂いていませんが・・・」「何だって!買いもしないズボンにお金を払えというのか!」
泥棒に罪は・・・??
ある日、ホジャのロバが何者かに盗まれました。近所の人々は口々にホジャを責めました。「小屋に鍵をかけなかったとは・・・」「物音に気がつかなかったのかい?」「しっかりつないでおかないからだよ・・・」じっと我慢して聞いていたホジャが口を開きました。
「はて、わしだけが悪くて泥棒は悪くないのかね?」